リモートメンテナンスとは|遠隔で対応する方法と導入のメリットや課題を解説

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リモートメンテナンスとは|遠隔で対応する方法と導入のメリットや課題を解説

公開日:2022/05/19   更新日:2024/12/23

リモートコントロール


リモートメンテナンスとは|遠隔で対応する方法と導入のメリットや課題を解説

新型コロナウイルスの感染拡大によって、リモートワークを取り入れる日本企業が多くなりました。こうした変化の中で注目されるようになったのが、「リモートメンテナンス」です。

この記事では、「リモートメンテナンスとは何か」という基礎知識から活用例、課題、導入方法まで幅広くお伝えします。リモートメンテナンスの実現に役立つソフトウェアも紹介するので、ぜひご覧ください。


1. リモートメンテナンスとは

リモートメンテナンスとは

リモートメンテナンスとは、ネットワーク経由で遠隔地から機器設備やシステムをメンテナンスすることです。現地作業を前提としていた従来のメンテナンス業務をリモート化することで、オフィスや自宅から予防保守やトラブル対応が可能となります。

ここでは、リモートメンテナンスの必要性やできること、活用例などを紹介します。

リモートメンテナンスの必要性と普及している理由

昨今では、幅広いビジネスでリモートメンテナンスが必要とされています。その主な理由は、次の2つです。

リモートワークの重要性が高まっているため
新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革の推進などにより、日本のビジネスにおけるリモートワークの重要性は高まっています。メンテナンス業務でもリモートワークを実現するための有力な手段として、リモートメンテナンスが注目されているのです。

顧客との接触がないリモートメンテナンスでは、感染症のリスクを軽減できる上に、移動などの無駄をなくして業務を効率化できます。リモートメンテナンスは、従来のメンテナンス業務が抱える課題を解決できる手段といえるでしょう。

ビジネスのIT化が進んでいるため
今やビジネスでは様々なITソリューションが普及しており、業種を問わずIT化が進んでいます。ビジネスでITの利用が容易となったことで、ITの利用を前提としたリモートメンテナンスも導入しやすくなっているのです。

たとえば、昨今の製造業では「ファクトリーオートメーション(工場の自動化)」が普及し、ITシステムにより製造ラインを自動制御する工場が増えています。こうしたITシステムにリモートアクセスできるソリューションを活用すれば、機器設備のリモートメンテナンスが可能です。

リモートメンテナンスでできること・できないこと

リモートメンテナンスの導入によって、従来のメンテナンス業務では不可能だったことも可能になります。とはいえ、リモートだからといって何でもできるわけではありません。リモートメンテナンスでできること・できないことを押さえておきましょう。

リモートメンテナンスでできることは、主に次の4つです。

  • 稼働状況の監視
  • 障害発生時の調査
  • 起動や停止などの制御
  • システムの更新

ネットワーク経由で現地の管理システムにアクセスすることで、機器設備の稼働状況を監視できます。また、システムのログなどから情報収集すれば、障害発生時の原因調査も可能です。加えて、遠隔地から起動・停止などの命令を送信することで、現地のサーバーや端末を制御できるほか、設定ファイルやパッチファイルを転送して、遠隔地のシステムを更新することも可能です。

反対に、リモートメンテナンスでできないことは、主に次の2つです。

  • 部品交換などの物理的な修理
  • システム管理下にない機器設備の監視・制御

破損した部品の交換など、物理的な修理はリモートメンテナンスでは行えません。また、システムで管理されていない機器設備の監視や制御も不可能です。

リモートメンテナンスの導入活用例

昨今では、リモートメンテナンスサービスの導入により、リモートメンテナンスを取り入れやすくなっています。ここでは、企業の事例を3つご紹介します。

ソフトメーカー
あるソフトメーカーでは、リモートメンテナンスサービスによりカスタマーサポートをリモート化しました。それにより、サポートスタッフが現地に出向く負担を大幅に軽減でき、新製品リリース直後の問い合わせが急増した場面でもスムーズに対応できるようになりました。

病院
ある病院では、リモートメンテナンスサービスにより電子カルテや電子処方箋システムの保守作業を、リモート化しました。その結果、作業効率が向上したのはもちろん、遠隔地からスタッフの作業状況や不審者の有無をチェックできるようになりました。

飲食チェーン店
ある飲食チェーン店では、リモートメンテナンスサービスにより店内・厨房の映像を記録し、リモートでチェックできる仕組みを構築。それにより、遠隔地からオペレーションのミスや不正を検出できるようになり、本部担当者の負担軽減につながりました。


2. リモートメンテナンスを行うメリット

リモートメンテナンスを行うメリット

リモートメンテナンスを行うメリットは、主に次の3つです。

メンテナンス業務の高速化
現地への移動に費やしていた多くの時間が不要となるため、メンテナンス業務の高速化が期待できます。たとえば、トラブルの連絡を受けた場合でも、オフィスにいながら素早い対応が行えます。緊急時にも迅速なサポートを提供できるため、顧客満足度の向上につながるでしょう。

作業員の負担・リスクの軽減
現地への移動が不要となるため、作業者の大幅な負担軽減が期待できます。また従来の現地作業では、怪我や感染症のリスクも少なからず存在します。その点リモートメンテナンスでは、オフィスや自宅での作業が可能なため、こうしたリスクの軽減も可能です。結果として、従業員満足度の向上や離職率の低下につながるでしょう。

経費の削減
交通費や宿泊費といった経費を削減できます。通常は、遠方の顧客対応だと交通費も増大してしまいます。また、深夜にトラブル対応が入ると帰宅が難しくなり、宿泊費も発生するでしょう。その点、現地への移動をともなわないリモートメンテナンスなら、交通費や宿泊費が増大することはありません。


3. リモートメンテナンスを行うデメリットと導入の課題

リモートメンテナンスを行うデメリットと導入の課題

リモートメンテナンスには、デメリットや導入時の課題もあります。具体的には、次の2つです。

セキュリティ対策に労力がかかる
ネットワークを介したやり取りが発生する以上、盗聴などのセキュリティリスクは避けられません。サイバー攻撃により機器設備やシステムの情報が漏えいすれば、企業の信頼は失墜します。こうした事態を防ぐためには、確かなセキュリティ対策が必要不可欠です。しかし、通信の暗号化やファイアウォールの設定など対応項目が多く、社内だけで対応するには相当な労力を要するでしょう。

環境導入のハードルが高い
リモートメンテナンスを実現する上で、IoT端末を導入して機器設備と接続する必要があります。それに加えて、オフィスと現場で情報共有するためのネットワークシステムも構築しなければなりません。このような環境を実現するためには、専門的な知識を持つ人材が必要不可欠です。また、それなりの初期費用を覚悟しなければならず、導入のハードルは高いといえます。


4. リモートメンテナンスを行うための導入方法

リモートメンテナンスを行うための導入方法

リモートメンテナンスを導入する方法は、大まかに次の3ステップです。

①リモートメンテナンスの導入計画
リモートメンテナンスの導入には、それなりの期間・要員が必要です。また、顧客先サーバーへのソフトウェアのインストールなど、社内だけでは完結しないタスクも発生します。従来のメンテナンス業務への影響を最小限にするために、顧客や関係者と情報共有しながら導入計画を立てましょう。

②ハードウェア・ソフトウェアの選定
リモートメンテナンスを実現するためのハードウェアやソフトウェアには、様々な製品・サービスがあります。対象の機器設備やセキュリティ性などを考慮して、適切なものを選定しましょう。

③ハードウェア・ソフトウェアの導入
選定したハードウェアやソフトウェアを実際に導入し、必要な設定などを実施します。前述の通り社内だけでなく、顧客先での環境構築も必要となるでしょう。導入後には、稼働上の問題がないかのチェックも欠かせません。

リモートメンテナンスの仕組み

リモートメンテナンスを導入する上で、まずはその仕組みを理解しておきましょう。

前述の通り、リモートメンテナンスの実現には、IoT端末やネットワークシステムが欠かせません。機器設備の情報をIoT端末により収集し、ネットワークシステムを介してオフィスへ伝達します。障害対応などの際には、オフィスからネットワークシステム経由で機器設備やシステムを制御することになります。

リモートメンテナンスにはソフトウェアの使用がおすすめ

リモートメンテナンスの実現にあたって、ネットワークシステムを独自に構築する場合、人件費や工数の増大は避けられません。また、専門知識を持つエンジニアの確保といった課題もあります。企業がコストを抑えてスムーズにリモートメンテナンスを導入するなら、ソフトウェアの使用がおすすめです。

遠隔地の機器設備をリモートで管理・操作するためのソフトウェア製品は、増えています。多くの製品では導入サポートも受けられるため、人材の確保などに頭を抱えることなくリモートメンテナンスを導入できます。


5. リモートコントロールが可能なソフトウェア「NetSupport Manager」

リモートコントロールが可能なソフトウェア「NetSupport Manager」

リモートメンテナンスを実現する上で、特におすすめは「NetSupport Manager」です。リモートコントロールを可能にするソフトウェアで、遠隔地にある多数のパソコン・サーバーを一元的に管理・操作できます。インターネットからリモートアクセスするための機能も標準搭載されており、在宅ワークにも対応可能です。

またモバイルアプリもあるため、外出先でもスマートフォンからリモートメンテナンスが行えます。作業員の負担を大幅に軽減できる、有力なソリューションといえるでしょう。

NetSupport Managerの機能

NetSupport Managerは、リモートメンテナンスに役立つ機能が充実しています。主な機能は、次の4つです。

モニタリング
縮小画面で全てのリモート端末をモニタリングできます。ハードウェアやソフトウェアの詳しい情報もワンクリックで表示でき、日々のメンテナンス業務の効率化につながります。

電源管理
リモート端末の起動や停止を遠隔地から行えます。作業員が手作業で電源管理する必要がなくなります。

ファイルの転送・配布
リモート端末にファイルを転送・配布することも可能です。ファイル数・端末数が多くても簡単な操作で一括転送ができ、保守作業が容易となるでしょう。

双方向チャット
遠隔地の作業員と、テキストや音声により手軽に会話が行えます。

NetSupport Managerの導入事例

NetSupport Managerは、業種を問わず多くの企業に導入されています。最後に、3つの業種における事例をご紹介します。

A社(流通業)
流通業のA社は、全国に60以上のチェーン店を展開しています。同社は、チェーン店におけるPOSシステムなどの保守管理を効率化するために、NetSupport Managerを導入しました。その結果、全国各地へ移動せずともシステムを保守できるようになり、対応速度の向上や担当者の負担軽減に成功しました。

B社(情報通信業)
情報通信業のB社は、企業向けに管理システムを提供しています。同社は、トラブル発生時の訪問による負担を軽減するために、NetSupport Managerを導入しました。結果として、コロナ禍でも遠隔地から障害対応が行えるようになり、移動や宿泊にかかっていたコストを大幅に削減することに成功しました。

C社(製造業)
製造業のC社は、ファクトリーオートメーション(FA)により大規模な工場を自動稼働しています。同社は、FAに必要となる各端末の起動・停止や障害対応をリモート化するために、NetSupport Managerを導入しました。それにより、広い敷地を移動せずとも端末の制御や障害対応が可能となり、業務効率化や担当者の負担軽減に成功しました。


6. まとめ

まとめ

リモートメンテナンスとは、機器設備やシステムをネットワーク経由で遠隔地からメンテナンスすることです。メンテナンス業務をリモート化できる有力な手段であり、コロナ禍のリモートワーク普及やビジネスのIT化により注目されています。

ただし、リモートメンテナンスの実現には、ネットワークシステムの構築など、多くの対応項目を実施する必要があります。そこで、ソフトウェア「NetSupport Manager」がおすすめです。遠隔地にある多数のパソコン・サーバーを一元的に管理・操作でき、幅広い業種のメンテナンス業務を容易にリモート化できます。

コストを抑えてスムーズにリモートメンテナンスを実現したい方は、ぜひ「NetSupport Manager」を導入してみてはいかがでしょうか。