テレワーク時のリモートツールの効果的な活用
公開日:2021/10/14 更新日:2024/12/23
遠隔操作ソフト
テレワークで使えるリモートツールがあると聞きつつも、どのように活用すれば良いか想像できずに導入が遅れていませんか。この記事ではリモートツールを効果的に活用していくために知っておきたい、導入時のポイントやおすすめのツールなどを紹介していきます。
リモートツールは、セキュリティ効果や作業効率を向上させるのに重要なツールです。テレワークでの成果を上げるためにも、積極的にリモートツールを活用していきましょう。
1. テレワークで役立つリモートツールとは?
リモートツールとは、自宅や外出先で使う端末から、社内のパソコンを遠隔操作できるツールのことです。会社以外の場所にいても仕事ができるようになるので、テレワークなどでよく使われています。
インターネットで端末同士を繋ぐことで、離れた場所からのアクセスを可能にします。
リモートツールは、自宅などで使う端末と会社に置いたままにするパソコンの両方にソフトをインストールして設定を済ませるだけで、利用を始められます。有料・無料問わずあらゆる企業がリモートツールを提供しているので、自社の環境に合ったものを選びましょう。
2. テレワークでリモートツールを使う4つのメリット
テレワークでリモートツールを使うメリットは主に4つです。
- 社内の端末を持ち出す必要がない
- テレワークで使用する端末にデータが残らない
- 端末のスペックが低くても快適に業務できる
- 導入が簡単
1つずつ説明していきます。
社内の端末を持ち出す必要がない
リモートツールを使えば、社内の端末を持ち出すことなくテレワークをスタートできます。社内に端末を置いたまま、リモートツールで遠隔操作できるためです。
仮にリモートツールを導入することなくテレワークを始めると、社内のパソコンに特別なソフトがインストールされていた際に、その端末を社員が自宅に持ち帰らないと作業できない場合があります。
タブレット端末なら持ち帰りやすいですが、デスクトップのパソコンをテレワークのために動かすとなると大変な手間がかかるでしょう。
さらにリモートツールによる遠隔操作で不要な持ち出しの機会をなくすと、端末の紛失リスクを減らせます。社内システムに不正アクセスされたり、機密情報を抜きとられたりするトラブルを予防するのに効果的です。
テレワークで使用する端末にデータが残らない
リモートツールでテレワークをすると、自宅で使う端末にデータが残りません。
社内のパソコンの中身を遠隔で触れるので、私物の端末にデータを移し替えなくてもファイルなどを編集できるのです。
私物のパソコンは、データを編集するためのリモコンや、社内のパソコンの画面を映し出すモニターのような役割でしか使いません。
従業員が私物の端末にデータを保存することがなくなると、次のようなトラブルが起こりにくくなります。
- 私物のパソコンにデータを残したまま盗難にあった
- 端末を跨いだ作業により文字化けやファイルの破損が起きた
- 家族や友人に誤ってデータを送信した
データを出し入れする回数が増えるほどに、情報漏洩やファイル破損のリスクが高まります。リモートツールで私物の端末にデータを一時保存するステップをなくし、テレワークでありがちなトラブルを防ぎましょう。
端末のスペックが低くても快適に業務できる
リモートツールを使ったテレワークでは、社内に置いてあるパソコンと同程度のスペックで業務できます。従業員の自宅にあるパソコンのスペックが十分でなくても作業しやすいでしょう。
テレワークのために従業員が自宅で使う端末を買い替えたり、機材を整えるための手当を支給したりする必要性がなくなります。
使い慣れた端末でも、スペックが不足すると作業で不便さを感じるものです。その点、スペックが問題にならなければ容量が大きい特殊なソフトでも効率的に作業できるでしょう。
導入が簡単
リモートツールを導入する手順は難しくありません。社内のパソコンと、テレワーク先で使うパソコンの両方にソフトをインストールするだけで、簡単に利用の準備が整うためです。
導入が簡単なので、専任のエンジニアを持たない中小企業でも、不安を感じることなくリモートツールの活用を始められます。専用の機能が入っていないパソコンでもリモートツールを導入すれば、特別な方法で機材を繋いだり、高いコストをかけたりせずにテレワークを実施できます。
3. テレワークでリモートツールを使う4つのデメリット
テレワークで多くのメリットを得られるリモートツールですが、いくつかデメリットもあります。
- 通信環境が悪いと業務が進みにくくなる
- マルウェア(ウイルス)感染のリスクがある
- 不正アクセスされる可能性がある
- 端末の紛失や盗難で情報漏洩が起こる
導入後にトラブルが起きないよう、本項でリモートツールのデメリットも確認しておきましょう。
通信環境が悪いと業務が進みにくくなる
通信で社内と自宅のパソコンを繋ぐため、通信環境によっては業務が進みにくくなることがあります。回線で通信障害が起きていたり、混雑していたりすると、通信速度が落ちてしまうのです。
通信環境が悪いと、リモートツールを使っていても次のような不便さが生じます。
- 容量の大きな資料をなかなか読み込めなくなる
- 社内のパソコンの動きが手元に伝わるまでに時間がかかる
- Web会議などリアルタイム性が求められる作業が滞る
最悪の場合、通信環境の悪さが原因でテレワークによる生産性の低下を引き起こすことがあるので注意しましょう。
マルウェア(ウイルス)感染のリスクがある
リモートツールで使う端末がマルウェア(コンピューターウイルス)に感染するリスクがあります。私物の端末にリモートツールを導入する場合、会社のパソコンのように十分なマルウェア対策ができているとは限りません。
マルウェアに感染する原因の例は次の通りです。
- 従業員が怪しいサイトにアクセスする
- 正体のわからないメールやファイルを開く
- 家庭内のネットワークで他のパソコンが感染したマルウェアを拾う
マルウェアに感染すると、社内の重要な情報が外部に流出したり、取引先企業にも被害を拡大させたりしてしまうので注意しましょう。
不正アクセスされる可能性がある
リモートツールを使ったからといって、不正アクセスを100%防げるとは限りません。不正アクセスを受けると、自社の経営に関する内容だけでなく、従業員の個人情報や取引先の機密事項まで流出する恐れがあります。
VPNなどセキュアな通信に対応したり、セキュリティ対策に重点を置いたリモートツールを選んだりして、不正アクセスの入り口を減らす意識を高めましょう。
端末の紛失や盗難で情報漏洩が起こる
セキュリティ効果の高いリモートツールを導入しても、端末の紛失や盗難による情報漏洩が起こるリスクがあります。紛失や盗難により悪意ある人の手に端末が渡ると、リモートツールを悪用して社内のパソコンの中身を覗かれる可能性があるためです。
端末やリモートツールを起動するのに必要なIDなどを推測されると、外部の人間でも簡単に社内のパソコンを操作できてしまいます。
カフェなどからテレワークをする際には席を立つたびにパソコンをしまったり、紛失した端末の場所を位置情報から辿るソフトを導入しておいたりして、紛失・盗難による情報漏洩の脅威から身を守りましょう。
4. リモートツールを効果的に活用するためのポイント
リモートツールを効果的に活用するには、次のポイントを意識することが重要です。
- 従業員のセキュリティ教育を徹底する
- VPNを導入する
- 社内のシステムを停止させない
- リモートツールで使う端末のセキュリティを高める
- 覗き見を防止する
- アクセスログを記録する
- リモートソフトでできる操作の範囲を決める
これらのポイントを工夫し、リモートツールのセキュリティをさらに高めていきましょう。それぞれ詳しく解説していきます。
従業員のセキュリティ教育を徹底する
リモートツールの運用やテレワークを本格的に開始する前に、従業員教育を徹底しましょう。
社内で研修を開いたり、資料を配布したりして次のような内容を伝えるのです。
- リモートツールへのアクセス情報を適切に管理する
- 端末を紛失したり盗難されたりしないよう対策する
- 不審なサイトやファイルの閲覧に注意する
- 疑問や問題点があったらすぐに上司へ相談する
リモートツールを導入しても100%安全だとは言い切れません。安全性を高めるため、従業員1人1人の意識を改善してもらうことが重要です。
VPNを導入する
リモートツールをVPN環境下で使用することで、不正アクセスの被害を受けにくいよう対策できます。VPNとは、安全なテレワークを実施するために活用される通信技術のことです。
会社のサーバーと自宅のパソコンを仮想のトンネルで守りセキュリティ効果を高める「トンネリング」や、仮想トンネルで行き来するデータを読み取られにくいよう対策する「カプセル化」と「暗号化」などがVPNの強みです。
VPNは、VPN機器(ルーター)を用意して端末などの設定を行うことで、環境を整えられます。セキュリティ効果をより高めるため、リモートツールと合わせて導入することを検討してみてください。
◆以下の記事で、VPNのメリット・デメリットや導入方法について解説しています。詳しく知りたい方は、ぜひ一緒にご確認ください。
リモートアクセスでよく聞くVPNとは?
社内のシステムを停止させない
リモートツールを活用する際は、社内のシステムを停止させないようにしてください。社内のパソコンが動いていなければ、テレワーク先から遠隔操作できなくなってしまうためです。社内のパソコンにいつでもアクセスできるよう、常にシステムを稼働させておく必要があります。
事情があって社内のパソコンを定期的に休ませたい場合は、電源の操作にも対応したリモートツールを導入しましょう。
リモートツールで使う端末のセキュリティを高める
テレワークでは、従業員側が使う端末でもセキュリティを高めることが大切です。
端末のセキュリティを高めるには、次のような対策が効果的です。
- マルウェア(ウイルス)対策ソフトを導入する
- インターネット閲覧時にフィルタリングソフトを導入する
- OSを最新の状態に保つ
- アプリケーションを増やす前に管理者へ申請する
また、端末を不正に改造し非公式の機能を解放する行為も、セキュリティで脆弱性を生む原因になります。従業員の私物を使う際にも、協力を呼びかけて対策してみてください。
覗き見を防止する
カフェやコワーキングスペースでのテレワークを許可している会社では、覗き見を防止する工夫も必要です。リモートツールを使っていても、周りからの覗き見による情報漏洩は防げません。
取引先との重要な契約内容や、リモートツールへアクセスするためのIDなどを覗き見されると、甚大な被害に繋がります。覗き見されないように対策するための行動の例は次の通りです。
- 背中側が壁になっている席を選ぶ
- 覗き見防止フィルターを使う
- 重要な内容が書かれている箇所は文字色を変えて読みにくくする
- 端末や資料から会社のロゴを外す
外出先でのテレワーク時に気をつけるべき点を従業員にも共有しておきましょう。
アクセスログを記録する
リモートツールへのアクセスログを記録しておくと、トラブル発生時に関わった可能性がある従業員をスピーディに探せるようになります。いつ誰がアクセスしたのかを分析することで、不正な編集やデータの削除が行われた際に原因を追求しやすくなるのです。
トラブルへの対応策としてログを記録しているということを従業員に周知でき、不正行為を抑制する効果も期待できます。ログの管理ができるリモートツールを選んだり、個別に記録システムを導入したりすることでアクセスログを残せます。
リモートソフトでできる操作の範囲を決める
リモートツールソフトでできる操作の範囲を決めておくことをおすすめします。重要なデータを誤って削除したり、人為的な情報漏洩が起こったりするのを防ぐためです。
誰がどこにアクセスできるのかや、どこまで編集を許可するのかなどを決め、権限を設定しましょう。例えば、会社のパソコン(リモートPC)から自宅パソコン(ローカルPC)へのファイル転送を禁止することは、情報漏洩や会社へのマルウェアの混入を防ぐ手段として有用です。
リモートツールの利用開始時に決めた操作範囲は、定期的に見直すことが肝心です。見直しを怠ると、すでに退職したり部署を異動したりした従業員の登録情報が残り、データの不正な持ち出しが起こる原因となるので注意しましょう。
5. テレワークでリモートツールを導入するなら「NetSupport Manager」がおすすめ
テレワークで使うリモートツール選びで迷ったら、ワイドテックが提供する「NetSupport Manager」の導入をおすすめします。
本項では「NetSupport Manager」の特徴やメリットを、次の5つの視点から解説していきます。
- コミュニケーションがとりやすい
- 信頼できる接続のみを許可できる
- 操作履歴を録画で残せる
- 暗号化によりデータの機密性がアップする
- 様々な端末でツールを使える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションがとりやすい
「NetSupport Manager」では、従業員同士で活発にコミュニケーションを取れるようなポイントがいくつかあります。例えば、チャットやホワイトボード機能を使えば、テレワークをしながらも距離を感じることなく業務できるのです。
テレワークの課題の1つに、従業員同士で顔を合わせる機会が減ってしまうことが挙げられます。テレワークにありがちなコミュニケーションの不便さを解消できる「NetSupport Manager」なら、テレワークでも活発に意見を出し合いながら業務を進められるでしょう。
信頼できる接続のみを許可できる
信頼できる接続のみを許可できるので、不審なユーザー・場所からのアクセスを防げます。
事前に登録したIPアドレスや、アカウントを持つユーザーのみが接続できるように設定できる機能があるので、不正アクセスを予防可能です。接続できる条件を絞り込むことで、端末を紛失したり盗難されたりしても、不正アクセスを受ける確率が下がります。
操作履歴を録画で残せる
「NetSupport Manager」内の操作履歴を録画で残し、必要な時に再生できます。ログだけが残るよりも、操作状況を録画しておけたほうが、トラブル発生時に作業当時の状況を振り返りやすいです。
データを誤って削除した際や、ツールを介して不正な動きがあった際に、原因を探すのに役立ちます。
暗号化によりデータの機密性がアップする
暗号化により、データの機密性がアップします。暗号化とは、データに変換処理を施して全く違う形状に書き換える仕組みです。
従業員の自宅から会社までの通信で、データの中身が外部から覗かれないようになります。情報漏洩やID流出による不正アクセスを防ぐためにも、暗号化はリモートツール側でも対策しておきましょう。
様々な端末でツールを使える
「NetSupport Manager」は、様々な端末からツールを利用できます。「Windows機器にのみ対応」「スマートフォンでは利用不可」というような使用する端末による利用制限がなくなるので、仕事を円滑に進められます。
社内のパソコンと同じモデルでなくても業務できるため、従業員の私物でもテレワークを進められます。私物を使うのにセキュリティ対策は必要ですが、端末を支給する手間を省けます。
6. まとめ
リモートツールを使えば、社内に置いてあるパソコンを遠隔操作する仕組みでテレワークを始められます。社内のパソコンそのものを自宅に持ち帰る必要がなく、離れた場所からでも仕事を進められることがメリットです。
コロナ禍でも従業員が安心して日々の仕事に励めるよう、リモートツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「NetSupport Manager」では、テレワークで気になる情報漏洩や不正アクセスを対策する、あらゆる機能を搭載しています。初めてリモートツールを導入する会社でも安心できるよう電話やメールによるアフターフォローも提供していますので、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
製品版と同じ機能を30日間自由にお試しいただける「無料体験版」を公開しています。
お気軽にダウンロードしていただき、設定や操作方法をご確認ください。