オンライン授業にもつながるGIGAスクール構想とは
公開日:2020/06/26 更新日:2024/12/23
オンライン授業
「GIGAスクール構想」とは、2019年に文部科学省が打ち出した施策で、学校教育のICT化を推進させるという目的があります。その後のコロナ禍で、日本の教育現場にはまだICTが普及していないことが浮き彫りになり、「GIGAスクール構想」の推進スピードが加速しています。本記事では、「GIGAスクール構想」に期待される効果や、実現のために行うべきことや課題などを、まとめて解説します。
1. 文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」とは
GIGAスクール構想の「GIGA」の読み方は「ギガ」、「Global and Innovation Gateway for All」を略したものです。
GIGAスクール構想を説明すると、「児童生徒向けに1人1台の端末を完備し、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備した環境で、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」といえます。
これからの変化の激しい時代を生き抜くには、従来の一斉教育だけではなく、一人ひとりに最適な教育を施すことが必要になります。ICT技術を用いながら、子どもたちが持つ多種多様な個性をつぶすことなく、次世代の人材を育てる必要があるのです。
2. GIGAスクール構想によって期待される効果
GIGAスクール構想により、学校教育や教育現場では、下記のような変化が期待されています。
- オンライン授業などで時間や距離の制約なく学べるようになる
- 授業ですべての子どもが取り残されないようになる
- アクティブ・ラーニングが推進される
- プログラミング教育への効果
- 校務の効率化
新型コロナ感染症拡大により学校が休校になったことで、子どもたちの学びも影響を受けました。そこで、教育現場においても、ICT化する必要性を多くの人が感じました。ICTを活用してオンライン授業を行うことで、時間や距離の制約なく学べるようになります。
さらに、子ども一人ひとりへのケアが行いやすくなるということも期待されています。一斉授業では、どうしてもついていくことのできない生徒が生じていました。しかし、GIGAスクール構想により1人1台端末を持つようになれば、先生はすべての生徒の回答をその場で確認し、理解できていない場合は重点的にサポートできます。
2018年に行われた国際的な学力テストPISA(Programme for International Student Assessment)で、日本の子どもは読解力が弱いことが判明しました。その反省から、単なる知識習得の学習だけではなく、主体的かつ対話的で、深い学びを実現するアクティブ・ラーニングが注目されています。GIGAスクール構想は、まさにアクティブ・ラーニングに最適な環境であり、読解力の向上が期待されています。
日本では2020年から小学校のプログラミング教育が必修化となりました。GIGAスクール構想により、実際にパソコンやタブレット端末に触れる機会が増え、プログラミング教育にも効果をもたらすと考えられています。
さらに、GIGAスクール構想では、煩雑だった校務の効率化も期待されています。これにより、教職員の長時間労働の改善につながるとも考えられています。
3. GIGAスクール構想を実現するための課題
さまざまな効果が期待されるGIGAスクール構想ですが、実現するためには乗り越えなければならない課題もあります。具体的には、次のようなものが挙げられます。
- ICT設備導入・運用のコスト
- インターネットのセキュリティ管理
- ICTを教える教員の不足
当然のことですが、児童生徒全員にPCやタブレット端末を用意するには、莫大な購入費がかかります。また、端末を購入するだけでなく、インターネット環境の整備や、端末が故障した場合のメンテンナンス費、教員のICTスキルを高めるための教育費など、さまざまなコストが発生します。
令和元年度のGIGAスクール構想のための補正予算案では、公立学校に2,173億円、私立学校に119億円、国立学校に26億円の、計2,318億円が投じられました。こうした大きな額の予算に見合った効果を出せるかが、GIGAスクール構想を進めるにあたって問われることになるでしょう。
また、インターネットのセキュリティ対策も懸念されています。コンピューターウイルスの脅威についての知識が不完全な子どもがデバイスを扱うことで、情報漏洩などの甚大な被害を生んでしまう危険も否めません。SNS等を通じて犯罪に巻き込まれることも考えられ、セキュリティ教育には十分な時間をかけなければなりません。各自治体の教育委員会や学校側でも、情報セキュリティポリシーを各々で作成し、遵守することが求められます。
そして、現在の日本の教育現場にICTに関する知識を持ち合わせた教員が少ないことも、GIGAスクール構想を進める上で大きな課題となっています。2020年度からプログラミングが小学校の必修科目になったとはいえ、それまではICT機器を用いた授業を行ったことがない教員が大半で、まだまだ知識は浸透していません。本格的な導入に向けて、人材育成が課題となっています。
4. GIGAスクール構想を実現するためのポイント
GIGAスクール構想をスムーズに実現するためには、教育現場では、以下の内容を総合的に検討することが重要なポイントとなります。
- 児童生徒に1人1台のデバイス
- 安定したネット環境
- どこでも使える学習ツール
- 教材のデジタル化
- ICTを活用できる教員・職員の確保
まずGIGAスクール構想では、児童生徒全員に1人1台のPCあるいはタブレット端末を用意することが、大前提となります。2021年3月末には、98%の小中学校において、PCやタブレット等の端末が1人1台整備される見込みです。
また、用意された端末を快適に使用できるように、学校内の通信ネットワーク環境の整備も進める必要があります。教材は、新学習指導要領やデジタル教科書への移行が検討されています。授業中に教員や児童・生徒が一斉に教材を使用しても問題ない環境が必要です。また、宿題などもデジタル化され、クラウドの学習ツールを利用して、提出は指定の場所にアップロードするという方法も考えられます。
さらに、ICTを活用できる教職員の養成も必須となります。生徒や保護者、自治体や関係業者とのやり取りに対して、対応できる人材の確保も必要です。しかし、人材育成は一朝一夕でできるものではありません。しっかりとした採用計画や育成スケジュールを立てて、ふさわしい人材を揃えましょう。
5. リモートコントロールソフトウェア「NetSupport School」が授業をサポート
さまざまな課題はあるものの、GIGAスクール構想によってもたらされる進化は、令和の時代を生きる児童生徒にとっては、欠かせないものとなるはずです。教育現場でも、さまざまなツールを利用して、子どもたちをサポートすることが必要です。
リモートコントロールソフトウェア「NetSupport School(ネットサポート スクール)」は、さまざまな形でICTを用いた授業を支援します。オンライン授業でも、時間や距離の制約なく学べるようになります。教員は児童生徒から離れた場所にいても、自身のデバイス上で授業に必要な画面を一括管理でき、児童生徒のフォローがしやすくなります。
また、児童生徒のアプリケーションとウェブの使用状況をリアルタイムに監視することもでき、児童生徒が授業に集中しているのかを把握できます。さらにオンラインヘルプやチャットを通じて、一斉授業では理解のできなかった児童生徒に個別のサポートをして対応することも、さらに深い学びを求めている児童生徒に対して対応することも可能です。
もちろん「NetSupport School」は、GIGAスクール構想で児童生徒に配布される端末のすべてのOS(Windows, iOS, Chromebook (Chrome OS))に対応しており、運用時のシステム担当者様へのサポートもしっかり行います。
オンライン授業で生徒の支援を行いたいとお考えの方や、教室やパソコンルームでの授業で遠隔操作を行えるツールをお探しの方は、ぜひ「NetSupport School」をご検討ください。
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