NetSupport ManagerとNetSupport Schoolの違いとは?
~業務と教育、それぞれの現場で活用できる遠隔操作ソフトウェア~
公開日:2025/05/08 更新日:2025/05/08
NetSupportの使い方
「NetSupport Manager と NetSupport Schoolは何が違うのか?」というご質問をよくいただきます。どちらも英国NetSupport社が提供する遠隔操作・管理ソフトウェアですが、実際には利用目的や機能に明確な違いがあります。本コラムでは、導入前の比較検討に役立つよう、両製品の違いをわかりやすく整理してご紹介します。
利用目的や利用シーンの違い
NetSupport Managerは、離れた場所にあるPCやサーバーを遠隔で操作・管理することを目的とした、業務向けのリモートサポートソフトウェアです。
NetSupport Schoolは、教室内の生徒PCを教師が一括で管理・操作することを目的とした、授業支援用の遠隔操作ソフトウェアです。
導入対象に厳密な区分はなく、NetSupport Managerは法人専用、NetSupport Schoolは教育機関専用という制限はありません。たとえば、企業が社内研修用にNetSupport Schoolを導入するケースや、教育機関がPCの一括管理を目的としてNetSupport Managerを利用するケースもあります。
利用できるネットワーク環境に違いがあるため、それに応じて、目的や用途、導入先も異なってきます。
- NetSupport Manager・・・オープンなインターネット環境と、クローズドでセキュアな専用ネットワーク環境の両方を利用可能です
- NetSupport School・・・クローズド環境のみの利用となりますが、VPN環境を使用すれば、インターネット越しに利用することも可能です
(NetSupport ManagerとNetSupport Schoolの主な違い)
項目 | NetSupport Manager | NetSupport School |
---|---|---|
利用目的 | 遠隔操作、ITサポート | 授業支援、教室管理 |
向いている用途 | 業務利用 | 教育利用 |
主な利用シーン |
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主な導入先 |
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接続する台数の違い
NetSupport Managerは、ITサポートを目的としたソフトウェアで、1台の管理端末から1台の利用者端末に接続する1対1の操作はもちろん、複数端末への同時接続(1対多)にも対応しています。たとえば、複数拠点にあるPCを一括で操作・サポートしたい場合などに有効です。


一方、NetSupport Schoolは、教室内の生徒PCをまとめて管理・操作することを前提としており、基本的に1対多での接続が主な用途となります。また、複数の教室を統合して一括管理するようなシーンでも活用されています。


利用するシーン(用途)の違い
それぞれの製品がどのような場面で活用されているのか、違いをより明確にご理解いただくために、具体的な利用シーンをご紹介します。いずれも、実際にお客様にご利用いただいている用途です。
(NetSupport Manager)
- 問い合わせ対応、事象解決・・・ユーザーサポート担当者が、問い合わせをしてきた利用者の端末にリモートアクセスして問題を解決(カスタマーセンター等)
- 監視・・・システム管理者が、管理対象端末の稼働状況を確認・監視(データセンター等)
- 遠隔端末の利用・・・テレワークや出張時に、ゲートウェイ機能を使って社内端末へ接続し業務を実施(企業のテレワークなど)
- 作業チェック、指示出し・・・機微な情報の更新など、第三者の確認が必要な作業の内容確認や指示を実施(作業者の作業内容チェック等)
- メンテナンス・・・システム管理者が、管理対象PCに対して定期的なメンテナンスを実施
(NetSupport School)
- テスト実施・・・先生が教材を生徒端末に配信・配布し、生徒が回答、回収までを一括管理
- 教材共有・・・先生が操作手順などを録画した動画や資料を、生徒端末に配信・配布し共有
- 授業中のモニタリング・・・生徒が各自PCで実施している作業内容を、先生がリアルタイムに閲覧
- 社内研修での活用・・・企業の研修担当者が、社員への研修を一斉に実施・管理
用途に特化した機能の違い
NetSupport ManagerとNetSupport Schoolは、業務利用向け・教育利用向けとして、それぞれの用途に特化した機能の違いがあります。
NetSupport Managerの主な機能
- 高速なリモートデスクトップ接続(低帯域環境でも対応)
- ファイル転送、チャット、リモートコマンドの実行
- 遠隔地にあるIT機器の一括管理
- 自動でのインベントリ情報収集
- 無人端末へのリモートサポート対応
- Wake on LAN(WOL)による電源管理
NetSupport Schoolの主な機能
- 生徒PCの画面モニタリング(画面受信)
- 生徒端末の画面やキーボードのロック機能
- 教材の配布/回収
- 生徒端末へのリモートデスクトップ
- 小テストやアンケート機能の実施
- 生徒の利用状況の記録およびログ管理
これらの機能から生まれるメリットも、それぞれ異なります。
NetSupport Managerは、遠隔地からの迅速な対応や複数端末の一括管理により、IT部門の作業効率を大幅に向上させ、出張や現地対応の手間を削減します。また、トラブル時の初動対応もスムーズになり、業務の継続性を高めることができます。
一方、NetSupport Schoolは、生徒の集中力向上や授業の効率化を支援し、ICT教育の質を高める役割を果たします。教員が生徒の操作状況をリアルタイムで把握できるため、トラブルを未然に防ぎ、円滑な授業運営が可能になります。
(導入によるメリットの比較)
項目 | NetSupport Manager | NetSupport School |
---|---|---|
対応スピードの向上 | 離れた拠点のPCを即時サポート | 生徒のPC状況を即時把握・対応 |
作業効率の向上 | IT部門の負荷軽減、一括操作で省力化 | 授業準備・進行の手間を削減 |
出張・現地対応の削減 | リモートでの障害対応によりコスト削減 | 教室内での個別対応の必要が減少 |
セキュリティ向上 | 無人端末含めた監視・操作が可能 | 不適切操作の抑止・ログ管理が可能 |
利用者満足度の向上 | 社員のITトラブルが早期に解決 | 生徒が集中しやすく、学習効率が向上 |
導入現場の柔軟性 | 拠点・部署・台数の増減に柔軟対応 | 教室統合・複数授業への拡張が容易 |
業務現場では、トラブル対応の迅速化や出張不要のサポートによって、業務効率が大幅に向上します。教育現場では、生徒の画面管理や操作制御によって集中力を高め、スムーズな授業運営が可能になります。
ライセンス体系の違い
ライセンス体系に大きな違いはなく、いずれも買い切り型で、管理対象の端末数に応じてライセンスを取得する仕組みです。
初回購入時には最低購入数が設定されていますが、追加購入時は両製品とも1ライセンスからの購入が可能です。
ライセンス単価は製品ごとに異なりますが、ボリュームディスカウントが用意されています。
(ライセンス体系の比較)
項目 | NetSupport Manager | NetSupport School |
---|---|---|
料金モデル | 買い切り型 | 買い切り型 |
購入ライセンス数 (初回) |
2ライセンスから | 10ライセンスから |
購入ライセンス数 (追加) |
1ライセンスから | 1ライセンスから |
価格モデル例(50ライセンス・年間保守) | 1年目:5,304円×50+1,166円x50=【323,500円】 2年目以降:1,166円x50=【58,300円】 |
1年目 :3,458円×50+760円x50=【210,900円】 2年目以降:760円x50=【38,000円】 |
価格モデル例(100ライセンス・年間保守) | 1年目:4,368円×100+960円x100=【532,800円】 2年目以降:960円x100=【96,000円】 |
1年目 :2,841円×100+625円x100=【346,600円】 2年目以降:625円x100=【62,500円】 |
まとめ
どちらの製品を選ぶべきかは、導入目的や現場の運用に応じて異なります。
たとえば、複数拠点の社員PCを遠隔サポートしたい場合は「NetSupport Manager」、教室でのICT授業支援を強化したい場合は「NetSupport School」が最適です。
本コラムが、NetSupport製品の選定にあたり、それぞれの違いや導入メリットを理解する手助けとなれば幸いです。
NetSupport ManagerやNetSupport Schoolの導入をご検討中の方、さらに詳しい機能や価格について知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。導入環境に応じた最適なご提案をさせていただきます。
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