社内やグループ全体で多数のPCを管理していると、「ソフトの導入や更新を一斉に行いたい」という場面は少なくありません。
しかし、拠点が複数に分かれていたり、台数が多かったりすると、1台ずつ操作してインストールするのは現実的ではない――。
そんな管理者の課題を解決するのが、「デプロイ（展開）」です。

ここで紹介するNetSupport Managerは、遠隔操作やファイル転送など、ネットワーク上のPCをまとめて管理できる遠隔操作（リモートコントロール）ソフトウェアです。

このNetSupport Managerには、導入時の一斉インストールを効率化できる「デプロイ機能」や、一般的なファイル展開に活用できる「ファイル配布機能」が標準で備わっています。

この記事では、遠隔操作ソフトウェア「NetSupport Manager」を使ったデプロイの仕組みと活用方法を紹介します。
「デプロイとは何か」から、「大量・離れた端末への効率的な展開方法」までを順に解説していきます。

デプロイとは？

デプロイ（deploy）とは、ソフトウェアや設定ファイルを複数の端末へ一斉に展開・導入することを指します。

本来は開発や運用の現場で「アプリケーションをサーバーや端末に配備する」という意味を持ちますが、IT管理の現場では主に「社内PCへのソフトウェア配布・インストールを自動化する仕組み」として使われます。

デプロイが重要とされる理由

• 作業の効率化：1台ずつインストールする手間を省き、短時間で全端末をセットアップできる
• 設定の統一：インストール先ごとに設定がバラつくのを防ぎ、全社で同一の環境を保てる
• 運用コストの削減：リモート配布により、現地対応や出張が不要になる

特に、複数拠点・テレワーク・教育現場など、「現場に直接行けない環境」ではデプロイの仕組みが必須です。特に実務の現場では、どのようにデプロイを行うかが重要です。

次の章では、NetSupport Managerに搭載された「デプロイ機能」を中心に、具体的な手順や仕組みを詳しく見ていきます。

NetSupport Managerの「デプロイ機能」とは

NetSupport Managerのデプロイ機能は、複数の端末にNetSupportクライアントを一斉インストールできる機能です。

個別にセットアップを行う必要がなく、管理者は1台のPCから全端末への展開を自動化できます。

例えば以下のようなことが行えます。

• リモートで複数の端末にNetSupportパッケージを一斉インストール、アンインストール
• 特定のクライアント設定ファイルを作成し、複数の端末に配布・ダウンロード
• 複数の端末に対して、NetSupportライセンス情報を更新

※Windows OSに対するデプロイは、UAC（Windowsのユーザーアカウント制御）をOFFにした端末にのみ実行可能です。

このデプロイ機能を利用すれば、新規導入や環境再構築の際に、全台へのインストールを短時間で完了できます。
また、既存端末への再設定やアップデートにも活用でき、IT管理者の工数を大幅に削減できます。

大量・離れた場所へのインストールも効率的に

デプロイ機能は、単なるファイル転送ではなく、同一ネットワーク内のPCに対してインストールの実行までを自動化できる点が特徴です。

たとえば次のようなシーンで効果を発揮します。

• 新拠点や新年度のPC入れ替え時に、同一ネットワーク内の端末へNetSupportを一斉導入したい
• ネットワーク内の異なるセグメントにある複数端末をまとめてセットアップしたい
• 拠点ごとにデプロイを行い、離れたオフィスの端末はファイル配布機能で対応したい

このように、デプロイ機能は主にLAN環境での一括インストールに最適であり、リモート拠点などゲートウェイ経由の環境では、ファイル配布機能との併用が有効です。

リモート環境にも対応できる「ファイル配布機能」

NetSupport Managerには、デプロイ機能とは別に、「ファイル配布」機能も搭載されています。
これは、一般的な“デプロイツール”としての使い方に近く、任意のファイルやフォルダを複数端末へ一斉に送信・配置できます。

活用例

• ソフトウェアのアップデートファイルを全拠点に一斉配布
• 業務用テンプレートや資料を社内全PCに展開
• 設定スクリプトやログ収集ツールの配布
• 教育現場での教材データの共有（後述するNetSupport Schoolにも共通機能）

転送状況はリアルタイムでモニタリングでき、配布先ごとの完了ステータスも一覧で確認できます。
これにより、確実かつ高速なファイル配布をリモートで実現できます。

「デプロイ」と「ファイル配布」の違いと使い分け

NetSupport Managerには、目的に応じて2つの“展開手段”があります。
それぞれの特徴を理解して使い分けることで、導入から運用までの効率化が一段と進みます。

機能	主な用途	特徴
デプロイ	NetSupportクライアントの一斉インストール/アンインストール、ライセンス及びクライアント設定ファイルの配布	インストーラ実行＋設定反映を自動化
ファイル配布	任意ファイルの一斉配布	即時配布に最適

導入時にはデプロイ機能で一括インストールを行い、運用中はファイル配布機能を活用して設定更新や資料配布を行う――

このように役割を分けて活用すれば、NetSupport Manager一つでシステム導入から日常運用までを“デプロイ感覚”で完結できます。

なお、デプロイ機能は教育現場向け製品であるNetSupport Schoolにも搭載されており、教育現場ではクライアントの一斉導入や設定配布に利用されています。

教育現場での活用：NetSupport Schoolのファイル配布機能

Managerを中心に解説してきましたが、同様の「ファイル配布」機能もNetSupport Schoolに搭載されています。
特にSchoolでは、ファイル配布機能を次のようなシーンで活用できます。

ここまで紹介した内容はNetSupport Managerを中心に解説してきましたが、同様の「ファイル配布」機能は、教育現場向け製品であるNetSupport Schoolにも搭載されています。

特にSchoolでは、ファイル配布機能を次のようなシーンで活用できます。

1. 授業用資料や教材の一斉配布
   先生の端末から生徒全員のPCへ、ワークシートや実習データを瞬時に配信できます。
2. 提出ファイルの回収や更新指示
   課題ファイルを全員分まとめて受け取り、提出状況を一覧で確認できます。
3. 授業開始前の環境準備や設定配布
   授業前に必要なアプリ設定ファイルや補助ツールを一括で配布し、統一環境を整えられます。

教育現場でも、「一斉に配る・集める」作業をリモートで効率化できる点は共通です。業務現場・教育現場を問わず、管理・運用の生産性を大幅に高めることができます。

まとめ：大量・一斉・遠隔でのインストールを効率化できるNetSupport

NetSupportは、世界100か国以上で利用されているリモート管理ソフトウェアです。
シリーズには、企業向けの「NetSupport Manager」と教育機関向けの「NetSupport School」があり、いずれも遠隔操作・監視・ファイル転送・メッセージ配信など、現場の運用を支える多彩な機能を備えています。

たとえば次のようなシーンで活用されています。

• システム管理者によるPCのリモート操作・トラブル対応
• ネットワーク越しのソフトウェア配布や更新
• ファイル転送やチャット機能による利用者サポート
• 画面共有・監視による作業支援や教育利用
• 複数拠点・多台数環境での集中管理・運用統制

NetSupport Managerは“デプロイ”をはじめとする管理系機能を軸に、現場業務・ヘルプデスク対応など、幅広いリモート運用を一元化できる統合ソリューションです。

その中でも、「デプロイ機能」と「ファイル配布機能」は、複数端末への導入や更新作業を大幅に効率化する中核機能です。

• 大量の端末へ一斉にインストールできる（デプロイ機能）
• 同一ネットワーク内の端末に効率よく導入可能
• 離れた拠点ではファイル配布機能を使って柔軟に対応

これらの機能を活用することで、NetSupportは「大量・一斉・遠隔」でのインストール作業を効率的に行える環境を実現します。

導入から運用までの負担を軽減し、IT管理者が“本来の業務”に集中できる――
それが、NetSupportが提供するリモート管理の新しいスタンダードです。

NetSupportは、業務現場・教育現場を問わず、安定したリモート環境の構築に貢献します。
機能や導入方法についてより詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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